時間が経つのはあっという間で、もう2024年ですね。
今年の高校野球もどんな戦いが繰り広げられるのか、目が離せません!
静岡県民である僕は、もちろん静岡県の高校野球を観ていますが、ここ数年に渡って静岡県の勢力図が大きく変わった印象です。
とはいっても飛びぬけた強豪校はあまりなく、毎年混戦というのは特に変わっていません。
ではどこが変化したか?
既にお気づきの方もいると思いますが、公立高校が優勢だった静岡県は今や私立高校が上位を占めています。
私立が強いのは普通じゃないの?
って思う人が多いのではないでしょうか?
静岡県には裁量枠という県独自の制度があり、公立高校でも野球が上手い中学生を集めることが出来ます↓
関連記事:静岡高校野球部はなぜ強いのか?
そんな裁量枠がある静岡県は長い期間、公立高校が上位進出していましたが、ついに私立の台頭が迫ってきている感じです。
この記事では、近年の静岡高校野球の動向について書いていきます。
近年の静岡県大会の上位校
近年と言っても、どこから出そうか迷ったので、令和元年の2019年から現在に至るデータを出してみました。
※①赤=私立高校、青=公立高校
※②2020年春季大会はコロナのため中止
優勝 | 準優勝 | ベスト4 | ベスト4 | |
2019年春季静岡県大会 | 浜松商業 | 加藤学園 | 浜松工業 | 常葉橘 |
2019年夏季静岡県大会 | 静岡 | 駿河総合 | 浜松工業 | 島田商業 |
2019年秋季静岡県大会 | 藤枝明誠 | 加藤学園 | 静岡商業 | 聖隷 |
2020年夏季静岡県大会 | 聖隷 | 開誠館 | 静岡商業 | 駿河総合 |
2020年秋季静岡県大会 | 藤枝明誠 | 常葉菊川 | 加藤学園 | 三島南 |
2021年春季静岡県大会 | 藤枝明誠 | 掛川西 | 浜松工業 | 静岡 |
2021年夏季静岡県大会 | 静岡 | 静岡翔洋 | 磐田東 | 掛川西 |
2021年秋季静岡県大会 | 日大三島 | 聖隷 | 静岡 | 浜松西 |
2022年春季静岡県大会 | 開誠館 | 静岡 | 掛川東 | 静清 |
2022年夏季静岡県大会 | 日大三島 | 静清 | 掛川西 | 聖隷 |
2022年秋季静岡県大会 | 常葉菊川 | 常葉橘 | 加藤学園 | 知徳 |
2023年春季静岡県大会 | 加藤学園 | 日大三島 | 常葉菊川 | 開誠館 |
2023年夏季静岡県大会 | 開誠館 | 静岡翔洋 | 藤枝明誠 | 日大三島 |
2023年秋季静岡県大会 | 藤枝明誠 | 開誠館 | 日大三島 | 聖隷 |
これを見てどう思いましたか?
公立私立どうこう以前に、大会ごとで勢力図が大きく変わってますよね⁉
そうなんです!静岡って飛びぬけて強いチームは無いけど、どこが勝つか分からなくてワクワクする地域です!
公立私立に関しては、2019年から2021年まで公立高校が優勢だったものの、2022年あたりから徐々に私立高校が旋風を巻き起こしています。
そして2023年にはついに私立高校が全ての大会でベスト4を独占しました!
他の地域では珍しくないかもしれませんが、静岡県では前代未聞と言っても過言ではありません。
昔から甲子園常連の静岡高校でさえ、2023年は夏秋連続で初戦敗退するほどです。
ここで気になるのは、静岡県の高校野球がなぜそういう状況になっているのか。
自分なりに見解をまとめてみました。
静岡県の高校野球が私立優勢になっている要因
野球人口減少で公立高校に選手が集まらない
これはどの地域でも言えることだと思いますが、公立高校は基本的に寮が無いため、通学可能な範囲の生徒のみ入学することになります。
ということは、野球人口が減少すると選手が中々集まりません。
静岡県でも徐々に連合チームが増えており、中学野球は既に連合が当たり前になってきています。
高校野球に影響するのも時間の問題です。
その点、私立高校は県外から選手を集めることが出来るので、これから公立高校との格差がどんどん広がっていくのではないでしょうか。
とは言いつつも、静岡、掛川西、浜松工業など静岡県で強い公立高校はたくさんあります!
むしろここからが面白くなってきそうです。
関連記事:野球人口が減少する理由
私立高校に優秀な監督が就任
静岡県は公立優勢だったといえど、昔から常葉菊川や常葉橘などの私立も強かったです。
そして今は常葉グループ以外の私立高校がかなり頑張っています。
その中でも日大三島には2020年に永田裕治監督が就任しました。
永田監督はかつて報徳学園で18度の甲子園出場を果たしており、かなり期待がかかる監督です。
日大三島に来てからも、2022年に春夏連続出場という大きな功績を収め、静岡県に台風の目を起こしました。
他にも聖隷クリストファーは、2017年に上村敏正監督が就任。
県内の高校で8度の甲子園出場の実績を持ちます。
浜松開誠館も2017年に元プロの佐野心監督、中村紀洋コーチが就任。
東海大静岡翔洋には、2021年秋から東海大浦安で甲子園準優勝の実績を持つ森下倫明監督が就任。
近年で名の知れた監督が次々と静岡県にやってきました。
野球に限らず、学生スポーツは指導者ってかなり重要だと思います。
甲子園で実績を残した指導者が静岡県の私立に集まれば、近年の私立優勢も腑に落ちる気がしますね。
関連記事:日大三島野球部の進化がエグすぎる
私立高校の近年のスカウト網が強化されている
私立がスカウト良いのは当たり前では?
静岡県の公立高校は、裁量枠という名の推薦制度があると言いました。
実はそれだけではなく、以前までの静岡県は、県内の優秀な中学球児が県外の強豪校に進学し、県外の2番手クラスが静岡県の私立高校に進学する構図になっていました。
今でも優秀な静岡球児の県外流出は止まりません(むしろ悪化してる)
ただ、私立高校に実績のある監督が就任し始めてから、県外の一流クラスが静岡県の私立に来てくれるようになりました!
特に、浜松開誠館、日大三島、加藤学園、常葉菊川あたりは県外のスカウトに積極的です。
2023年夏の甲子園に出場した開誠館のメンバーも、入学当初からかなり注目されていた世代でした。
日大三島は県外の選手だけでなく、県内シニアの主力や軟式野球の選抜チームメンバーなど広範囲でスカウトしています。
加藤学園も今年(2024)は、香川県の高松LTSポニーから日本代表クラスの選手が入学予定です。
良いね、もっと強くしよう!
関連記事:浜松開誠館野球部の甲子園への道のり
関連記事:静岡県から県外流出が多い理由
私立高校の進路実績が充実している
中学球児は高校選びの際に強いチームかどうかだけでなく、そのあとの進路も重要だと思います。
近年の静岡県も私立優勢に伴い、これから卒業していく選手たちの進路も充実してきています。
前例が無くても個人の成績次第で良い進路を目指せるとは思いますが、なんだかんだ同じ学校の先輩がいるというのは強みになりそう。
最近は、静岡県内の私立高校から東都大学や首都大学への進学が多くなってきており、進路の実績が潤っています。
強豪大学へのルートが増えれば、中学球児からも魅力的に映るでしょう。
ですが、東京六大学への進学はまだまだ少ない方なので、これからも首都圏の大学野球界を盛り上げていって行けたらなと思います。
最後に
どうでしたか?
公立の代表格である静岡高校は最近勝ちきれていませんが、投手陣の層が厚く今年(2024)の夏は優勝してもおかしくありません。
とはいえ、今後も私立高校が静岡県の高校野球を引っ張っていくことに変わりはないと予想しています。
こういう状況になってくると「私立ばかりでつまらない」、「静高(静岡高校)が甲子園に出ないと盛り上がらない」という声が出てくると思います。
ですが僕はむしろ面白くなってくると思います。
私立が強いからこそ、ここから公立勢がどう逆襲を測るかが見どころです。
そしていよいよ2024年春季静岡県大会が始まりますね!
僕の推しの開誠館と聖隷クリストファーがどのくらい力をつけたか、楽しみが尽きません!
今回は本記事を閲覧いただきありがとうございました。
コメント