選抜高校野球が終わって余韻に浸っている。
そんな中、高校野球のチームや選手を調べるに当たって、気になるのは選手の出身地ではないでしょうか。
その選手の出身地を見てみると、強豪校は県外出身者が多い。
特に静岡県はトップクラスの選手の流出が深刻化している。
今回は静岡県の中学球児が県外流出する理由についてまとめました。
もちろんこの記事は県外流出(野球留学)を否定するわけではありません。
県外流出(野球留学)とは
そもそも県外流出(野球留学)とは、文字通り中学生が高校進学を機に県外の高校に行き、そこの野球部に所属することです。
昔は野球留学がそこまで浸透していなかったのですが、今や県外の高校に挑戦しに行くのは当たり前になっています。
静岡県に限らず、他県でも中学生が県外に流出している状態が深刻化。
筆者からすれば別に深刻視するほどの問題ではないと思いますが、指導者や関係者からしたらやはり地元に残ってほしい気持ちが強いんでしょう。
大阪府や兵庫県からよく県外流出するのは、地元の高校(大阪桐蔭など)が強すぎて、甲子園が果てしなく遠いと察し、地方の高校へ行くのはお決まり。
ただ、静岡に関してはトップクラスの中学生ほど、県外に行ってしまうのが当事者を困らせてる要因なのかと。
進路を選ぶのは本人の自由だけど、何で県外に行くのかは気になりますよね。
ここからは憶測と事実半々で書いていきます。
静岡県にチーム数が多いから
甲子園を目指すに当たって、気にするのはチーム数だと思います。
筆者は中学生時代、ボーイズに所属していてその時はチーム数が10~20ぐらいなのに高校に進学して驚いたのが、静岡県の野球部の数が100を超えていたこと。
ボーイズの事情以外は知らなかったんですけど、シニアや中学軟式を合わせたらそんなにチーム数があったかと思うとビックリ。
静岡県はサッカー王国と言われる割に野球も激戦区です。
現在は静岡県の野球部の数は109校で、今年も楽しみな大会になりそう。
けど、ここに県外流出の原因があるんじゃないかと考えます。
単純に甲子園までのコスパが悪すぎる。
チーム数で言うと47都道府県中10位なので、そりゃ静岡県より学校数の少ない都道府県に行きたがるのは当然です。
ただ、静岡県よりチーム数が多い神奈川県に行く選手もいるので、一概にそれが県外流出の原因とは言えません。
ですが、もし自分が滅茶苦茶野球が上手くて本気で甲子園を目指す中学生なら、チーム数が少ない山梨県を狙うと思います。
実際に、静岡県のボーイズやシニアで主力だった選手は、山梨県の山梨学院や日本航空に進学する傾向が高いです。
静岡県に飛びぬけて強いチームがあまり無いから
チーム数が多いことに加えて、静岡県はとびぬけて強いチームが無いのが特徴です。
大阪府と言えば大阪桐蔭、神奈川県と言えば東海大相模、宮城県と言えば仙台育英など都道府県イコール○○と言うのがあると思います。
静岡県も強いて言うなら、静岡高校が甲子園出場回数トップですが、近年は常葉大菊川、藤枝明誠、日大三島、聖隷クリストファーが県大会優勝を経験ししています。
新鋭校の活躍ぶりによっては、静岡高校一強という立ち位置を完全に降ろされておかしくないかと。
いわゆる群雄割拠と言うやつです。
一見、面白く見えますが、逆に言えばどこが甲子園に行けるかが分かりづらい。
本気で甲子園を目指す中学生からしてみれば、チーム数が多いうえに戦力が分散していると、明確に進学したい高校が県内で見つからないのも頷ける。
証拠に静岡高校に集まっていた中学野球の静岡選抜組は徐々に県外に流れるように。
ただ、群雄割拠が悪いことではなく、どのチームにも甲子園に行くチャンスがあるというのは選手にとってもモチベーションになる。
静岡県の有望中学生が県外に行く中で、大阪府や兵庫県など関西の選手が静岡県の新鋭校で甲子園を目指すという良い影響もあります。
県外の高校に声を掛けられたから
これは静岡県に限った話ではなく、全ての都道府県に言えることですが、スカウトの影響は大きいです。
元から県外に行くつもりじゃなくても、声を掛けられたのがきっかけで進路を決めるパターンも多い。
静岡県の場合だと山梨学院や横浜、東海大相模、花咲徳栄などのスカウト網が強い。
今年はスルガから福井県の敦賀気比に行く選手も。
ついにそこからも手を出してくるか、良い選手は悪い言い方すると、スカウトによってどんどん他県に取られていきます。
でもよく考えれば、もし自分がスーパー中学生で大阪桐蔭に誘われたら断る理由なんて無いですからね。
選手からしたら誘われるのは嬉しいものです。
寂しいけど静岡県の選手が県外で飛躍するのは素晴らしいことだし、関係者は見守るしかないですね。
ふと思ったのが県外流出を深刻視している都道府県は、意外と他県からの流入を気にしてない感じもする。
静岡県内の聖隷クリストファーや浜松開誠館などは、積極的に県外から選手を取ってるのである意味五分五分だと思います。
他県の強豪校が魅力的だから
甲子園を目指す学校選びとしては、指導力、練習施設、チーム内の雰囲気、進路などが挙げられます。
酷な言い方をすると、静岡県代表の高校はいつも甲子園で初戦負けするので、よりチームを勝ち進める名将が静岡県に居ないのが課題かも。
有望な中学生は練習環境やチームの強さはもちろんだけど、優秀な監督の下で野球をしたいという傾向が高いです。
しかし、2020年から静岡県にある日大三島に、報徳学園で18度甲子園に導いた永田監督が就任したので、今後は県外流出を止めてくれる期待が高まります。
それでも今はまだまだです。
特に静岡の中学野球の強豪・静岡裾野シニアの主力が進学する山梨学院はグラウンドに寮が2つあって、雨天練習場の広さは名門大学や社会人野球に匹敵する。
寮からグラウンドが凄く近くて、自主練がしやすい環境にある。
そりゃ静岡県に残らず、県外に行きたがるのは当然だわな。
裾野どころか浜松シニアからの進学ルートもある。
環境の重要性はバカにはできません。
神奈川県の横浜や東海大相模にも練習に打ち込める環境があるので、果たして静岡県の高校がここに勝てるのか。
まとめ
いかがだったでしょうか。
個人的には有望中学生を県内にとどめるより、県外の志の高い選手を呼び込む方が効果的かも。
どこの高校に行っても球児には頑張ってもらいたい。
今回は本記事をご覧いただきありがとうございました。
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