聖隷クリストファー野球部の強さや特徴を解説

有力校

第94回選抜高校野球の出場校選考で、聖隷クリストファーが落選した出来事から3か月。

この問題が話題に出てこなくなったけど、改めて聖隷野球部がなぜ昨秋に東海準優勝までたどり着いたのか。

しかもエースと正捕手をケガで欠く中で。

言い方は失礼だけど、聖隷にはとびぬけて上手い選手がいるわけでもない

それでもなんだかんだ勝っていく。

今回はその聖隷野球部の強さと特徴をまとめてみました。

あくまでもファンの視点です。

過去の聖隷野球部の実績

  • 2011年までに夏季静岡県大会ベスト8が3回
  • 2012年 夏季静岡県大会 ベスト4
  • 2013年 夏季静岡県大会 ベスト8
  • 2016年 秋季静岡県大会 優勝
  • 2020年 夏季静岡県大会 優勝
  • 2021年 秋季静岡県大会 準優勝・秋季東海大会 準優勝

過去にも輝かしい成績が残っていますが、上村監督が就任した2017年からは短い期間で結果を残しています。

前まではそこそこ強いという認識から一気に甲子園が視野に入り始めました。

ただ、2020年の県優勝は甲子園がコロナで中止になり幻に。

2021年の東海準優勝でようやく初の甲子園かと思いきや、謎の選考理由で落とされた。

ツキに見放されていますけど、それでもまた近々甲子園に行ける実力はあると思います。

近年は上村監督のリクルートがあるからか、県外選手の割合が増え実績のある選手が揃ってきた。

関連記事:聖隷クリストファーが落選した理由

聖隷野球の強さ

ここからは筆者が東海大会での聖隷の試合を観てここが強いなって思ったところを書いていきます。

ボール球に手を出さない

東海大会で2度の逆転劇を起こした要因はまずボール球に手を出していないところです。

聖隷はリードされている展開でも焦って変なボールを打ちに行くことが滅多にない。

甲子園の懸かってる大事な試合で序盤に5点リードされたり、9回表に3点奪われたりと絶体絶命なピンチにも動じないのが凄い。

普通の打者の心境なら「絶対に打って逆転しないと」っていう感じで冷静ではいられません。

実際に聖隷の対戦相手が四球を出した場面も多く、人によっては相手が勝手に自滅しただけって意見もありますが、きちんと選球眼が良くないと手を出してもおかしくないボールが多くありました。

そして際どいボールはカットして喰らいついて楽にアウトを取らせない。

終盤は特にそういう粘り強い野球が印象的でした。

どんな試合展開にも対応できる

東海大会では打撃の強さが目立った聖隷でしたが、県大会まではロースコアの展開が多かったです。

僕はいつも速報サイトで聖隷の試合結果を見てたけど、県大会終了時点では打線があまり繋がってないのかなって印象だった。

そして県大会後に正捕手・河合のケガが発覚し、東海大会初戦後はエース・弓達が疲労骨折でバッテリーごと離脱することに。

正バッテリーを欠いてるため、必然的に失点は多くなる。

県大会の得点力を見る限り、東海大会で勝つのは難しいと思ってた。

だが、点差をつけられてもしっかり取り返して勝ちに持ってく対応力は素晴らしい。

聖隷は前からロースコアに強いチームだったが、主力を欠く中でハイスコアに適応させるのは簡単にできることではない。

打球が速い

至学館戦での終盤は特にそうだったけど聖隷打者の打球が速い。

とびぬけた選手がいない分、長打を見ることは少ないけど各打者のスイングがコンパクトで相手のエラーを誘えるほど。

実際に至学館戦であとアウト1つ取られればゲームセットの状況で、上からバットを叩きつけた鋭い打球を放ち、その打球の速さで相手野手がことごとくボールをこぼした。

チームで徹底しているのかフライを打ち上げる選手はほとんどいない。

野球においてフライを打ち上げずにゴロに徹底するのは理にかなっている。

フライはエラー率が低いしチャンスで打ち上げたら相手投手を助けるため御法度。

もちろんホームランを狙うならフライボールを打つ能力や体格もある程度必要になるけど、チームバッティングだったり勝つための野球をするならその必要はない。

野球は体格が大きくなくても勝てるというお手本が聖隷のバッティングだと思う。

軟投派でも勝てる

聖隷の投手陣を見てても特に剛腕投手の存在は無い。

強いて言うなら2013年に中日にプロ入りした鈴木翔太ぐらいだ。

毎年聖隷のエースを担ってる投手の特徴は速くても130キロ中盤ぐらい。

2016年の秋大優勝時の投手も球速は120キロ程度。

それでも試合で安定した成績を出せるのが凄い。

投手はスピードが全てではないというのが聖隷の投手を見ていてよく分かる。

今年で言うならエースの弓達は最速136キロと飛びぬけて速くはないけど、制球力、フィールディング、牽制が上手く基礎がしっかり固められている。

2年前のエース投手・城西も最速が134キロながらバント処理での併殺を難なくこなす上に四球はほとんど出さない。

派手さがなくてもこういうちょっとしたプレーの上手さからリズムを作っていく。

ここ1番で力を発揮する

聖隷野球の1番の特色であり強いところです。

上村監督の指導する上で3つのポイントは

  • どんな場面でも冷静に
  • 無駄な点を与えない
  • リーダー性を持つ

筆者の意見でも本当に強いチームと言うのは、しびれる展開でいかに自分の力を出し切れるかにあるんじゃないかと思っています。

東海大会での聖隷の戦いぶりを見て驚いたのはリードされてても全く動じないところ。

普段の練習から掃除やグラウンド整備などの精神的な訓練を重ね、ここ1番のチャンスで結果を出す。

上村監督の指導が見事にグラウンドに映し出された瞬間でした。

高校野球は監督が大事と言われるけど、本当にその通りだと感じます。

優れた選手がいてもチームを指揮する人の考えがブレブレだったら勝てる試合も勝てませんからね。

東海大会でも中京戦や至学館戦の2度の逆転勝ちが目立ってますが、県大会でも静岡市立戦で3点ビハインドから8回裏に一気に4得点。

準決勝の浜松西戦でも延長12回で1-1の同点からサヨナラ勝ちとしびれる試合展開を何回も経験している。

ここまでくるとさすがにマグレではないのが分かります。

まさかが起きるような努力や体現をするのが聖隷野球の真骨頂です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今さら選抜選考を話題に出すのもアレですけど、やはり甲子園に出る価値は十分にあるチームだったのかなと未だに思います。

春季静岡県大会では既に有力校が立て続けにノーシードになっている状況です。

厳しい戦いになりますが、聖隷には夏の頂点を何としてでも掴んでもらいたい。

今回は本記事をご覧いただきありがとうございました。

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