この記事にたどり着いたということは、少なくとも高校野球に興味があるということですね。
高校野球といえば紛れもなく甲子園が思い浮かぶと思いますが、実は甲子園で行われる全国大会は年に2回あるのです!
なに当たり前のこと言ってんだよw
って思った方もいるのではないでしょうか。
夏の甲子園は知ってても、春の甲子園の存在を知らない。
こういう人って意外といるものです。
そして、春の甲子園(選抜)と夏の甲子園の違いを知らない人はもっといると思います。
今回は甲子園大会の春と夏の違いを簡単に紹介していきます。
春の甲子園(選抜)と夏の甲子園の違い
出場校の選ばれ方
春と夏を比べて1番違うところは、出場校の選ばれ方だと思います。
夏の甲子園はシンプルに各都道府県を勝ち上がった1校のみに出場権が与えられます。(北海道・東京は2校)
一方で、春の甲子園は選ばれ方がかなり複雑です。
出場校を決める際に、選考委員会という組織が存在し、選考委員から選ばれたチームが春の甲子園に出場できます。
そのため、春の甲子園は通称「選抜」と呼ばれています。
北海道・東北・関東・東京・北信越・東海・近畿・中国・四国・九州の10地区ごとにそれぞれ枠数が決められており、秋の地区大会で好成績を残したチームを中心に選出されます。
これらは一般枠と呼ばれており、一般枠以外にも神宮枠・21世紀枠が存在します。
神宮枠は秋の地区大会を優勝した10校が集まる神宮大会で、優勝したチームの地区に枠数が1つ増える仕組みです。(例:大阪桐蔭が優勝=近畿地区の枠数が6→7)
21世紀枠はまず各都道府県の高野連が、他校の模範となるチームを秋の都道府県大会ベスト16の中から選びます。
選ばれた47チームを各地区で審査し、さらに10校に絞り最終的には2校が選抜に出場できる制度です。(21世紀枠の数は年による)
ここまで聞くと結構ややこしいですよね。
さらにややこしいのは、一般枠が奇数の地区の選ばれ方です。
例えば、東海地区は2022年まで原則2枠でしたが、今年(2023年)から3枠になりました。
・準決勝 A 10-0 B、C 2-4 D
・決勝 A 5-4 D
このような場合、優勝したAチームが1枠目、準優勝したDが2枠目と迷いなく選べます。
しかし3枠目が難しく、優勝チームに負けたBを選ぶのが無難ではありますが、Bが大差で敗れており、Cは接戦なのでこの場合はCが選ばれるでしょう。
その他、同一都道府県に偏らないように地域性も加味されるので、本当に厄介です。
野球は結果が全てではありますが、選抜は他力本願で決まる要素があるため、良くも悪くも出場校発表が醍醐味ですね。
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同一都道府県から2校出れる
夏の甲子園は、東京と北海道以外は出場校が1校のみです。
一方選抜では都道府県という括りではなく、地区という括りで枠数が決められています。
例えば東海大会は3枠あります。
東海大会は三重・岐阜・愛知・静岡の4県から上位3校ずつの計12校で行われます。
なのでもし、愛知県のチームが優勝と準優勝を独占したら2校とも選抜に出場できる可能性があります。
ちなみに、一般枠では同一都道府県から3校出場は禁止というルールがあるので、同じ県から何校も出場できるわけではありません。
しかし、2018年では滋賀県から近江、彦根東、膳所(ぜぜ)が3校同時出場を果たしています。
これは近江と彦根が一般枠、膳所が21世紀枠での選出だからこそ合法なわけです。
賛否はあると思いますが、これが選抜の面白いところですね。
出場校数
春と夏の甲子園の違いは、出場校数にも大きく表れています。
たまにある記念大会を除くと、選抜は32校、夏の甲子園は49校が出場します。
これを見ると
選抜に出る方が難しいんだね。
って思うかもしれませんが、まあ大体合ってます。
ただ、全国トップレベルの強豪校がある地域は話が変わってきます。
例えば、大阪は大阪桐蔭が圧倒的に強いので、1校しか出れない夏は絶望的です。
それなら秋の大阪府大会でどうにか3位までに滑りこみ、近畿大会で準々決勝までに残れば、近畿6枠に入れる可能性があります。
さらに近畿は強いチームが多いので、神宮大会で優勝し近畿の出場枠を増やしてくれる道もあります。
実際に履正社や金光大阪は、大阪桐蔭と一緒に選抜に出てくる時がありますね!
主催者
ここからはあまり興味の出てくる内容ではないかもしれません。
甲子園大会を行うにあたって、主催者というものが必ず存在します。
春は毎日新聞社、夏は朝日新聞社がスポンサーになっています。
甲子園大会、最初は夏のみでしたが、毎日新聞が朝日新聞に対抗して春の甲子園を作り上げたわけです。
選抜方式にしたのも、当時はGHQの民生部門トップだった経済科学局長のマーカット少将から「全国大会は年に1つで良いんじゃないのか?」と指摘を受け、差別化を図ったためです。
つまり詳細に言うと、春の甲子園は全国大会ではありません。
こういう背景があったのは驚きです。
優勝旗の色
割とどうでも良さそうな部分ではありますが。(失礼)
選抜は紫紺、夏の甲子園は深紅の優勝旗です。
画像の引用先:https://www3.nhk.or.jp/sports/story/1347/ NHKスポーツ
開会式入場行進曲
甲子園では開会式の際に、場内に行進曲が流れています。
夏の甲子園は、毎年変わらず「栄冠は君に輝く」が流れていますが、一方で選抜は、その年に流行った曲を行進曲として採用しています。
2022年はYOASOBIの「群青」、2023年はbacknumberの「アイラブユー」が採用されました。
毎年恒例の伝統曲、年代わりの人気曲、どちらにも良さがあって良いですね!
チームの完成度(打力)
ここまでは仕組みについての違いを説明していきましたが、ラストは試合の見どころについて違いに触れていきます。
簡潔に言うと、選抜と夏の甲子園の違いは打力です。
選抜は公式戦が秋から遠ざかってる分、感覚を取り戻す必要があります。
しかも年明け最初の公式戦が全国レベルの投手相手ですから、簡単には打てません。
あくまで傾向の話ではありますが、選抜の試合はどっちかがリードを奪ってそのまま逃げ切るパターンが多いと思います。
春が投手有利と言われてる理由もこれですね。(攻略できずにそのまま終わる)
2022年の選抜初戦のホームランは浦和学院の1本のみで、それ以外は2回戦以降に飛び出しました。
一方、集大成と言われる夏の甲子園は打線が活発です。
夏の甲子園出場校は、直近に都道府県大会で実践感覚を掴んでいるため、万全の状態で試合に臨めます。
現に今年(2023年)では、浜松開誠館(静岡)や神村学園(鹿児島)、北海(北海道)など、上位でなくても打線の破壊力が凄まじいチームが揃っていました。
特に浜松開誠館は地元なので、よく見ていますが春はそこまで打線が強くありませんでした。
まさかここから夏の甲子園で勝てる打線にまで成長したのは驚き。
秋に良い成績が残せず選抜から漏れたチームが、夏に驚くほど打線が良くなるのは夏の甲子園ならではの楽しみです!
関連記事:浜松開誠館野球部の甲子園への道のり
最後に
いかがだったでしょうか。
春の甲子園と夏の甲子園の違いは結構多かったと思いませんか?
毎年夏の甲子園の方が盛り上がりますが、春の甲子園(選抜)独自の面白さがあるので、選抜をあまり見ていない方は春の楽しみを1つ増やしましょう!
今回は本記事をご覧いただきありがとうございます。
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